SSH活動情報
SSH生徒研究発表会、神戸サイエンス研修
神戸市でSSH生徒研究発表会が開催され、3年生の課題研究班4名が参加しました。またその機会を利用して、科学部1・2年生4名も同行し同市内でサイエンス研修を実施しました。
8月7日(月) 神戸大学大学院理学研究科で研究室訪問を行いました。生物学の研究室で、ミツバチの行動と神経生理学の先端研究を教えていただきました。ミツバチのコミュニケーションである8の字ダンスとそれに伴う神経生理研究の紹介を受け、科学部生徒が取り組んでいるミツバチの採餌行動についても質疑応答を行いました。その他にも植物の形態形成、動物の神経行動の各研究室も案内していただき、最新の研究設備やそれぞれの専門の研究について学びと驚きの連続でした。
【生徒の感想より】 どの研究も難しく、理解することがとても困難でしたが研究の意図がわかると面白く、自分の知識が深くなっていくのを感じました。特に面白いと感じたのはミツバチの生態や学習行動についてです。1つの疑問点に焦点を当てて研究することは、わかっていくことが1つずつ増えていくようで面白く、困難であると感じました。
8月8日(火) 理研BDR(理化学研究所生命機能科学研究センター)を訪問し、ライフサイエンスの先端研究の説明を受けました。iPS細胞が、立体的な組織への分化を目標に、先端ロボットを用いて次の段階に研究が進んでいること、またGFP(緑色蛍光タンパク質)を用いた遺伝子操作や、臓器の透明化技術など、「見る」ための実験手法はとても興味深い話でした。
【生徒の感想より】 ヒトの一生についての研究を、細胞やDNAレベルの細部、ほかの生物の生態や遺伝子のヒトとの共通点などの多角的な視点から調べていて、多くの知識が得られました。また、自分たちの研究は進まなくなってしまっているので、もっと多くの視点からアプローチする必要があると思いました。
8月9日(水)、10日(木) SSH生徒研究発表会に参加しました。230のSSH指定校がそれぞれ1つずつ研究作品を持ち寄り、ポスター形式で互いに研究を紹介しました。3年生のアカダイコン組織培養班は、様々な指摘や助言、質疑応答を重ねることで、研究の改善点や不備に多く気づくことができました。レベルの高い研究がとても多く、研究の手法や、着眼点など参考になることがとても多くありました。
【生徒の感想より】第一に思ったことは自分の考えを相手に伝えることの難しさです。正しく伝えるためには、それだけの話す工夫や準備が必要だということがわかりました。そしてもう一つは科学の面白さです。科学という言葉で一括りにはできないほどの分野、考え方、未解明な点があり、その1つ1つについて同じ高校生と議論をすることは改めて素晴らしいと感じました。
SSHトレーニングⅢ 課題研究成果発表会
7月12日(水)、3年生が課題研究成果発表会を行いました。第1部では以下の4班がステージ発表を行い、第2部では全班がポスターセッションを行いました。
【口頭発表】
「快適な住まいと窓の関係~光の入り方と室内温度の変化~」
発表者:榎屋結・早田彩恋
「高校生は読書から得る力をどのように捉えているか
~インタビューとアンケート調査にみる高校生の読書観~」
発表者:小野咲良・松下笑子・角井寧々
「組織培養によるアカダイコン胚を用いたカルス形成
~組織培養で伝統野菜の絶滅を防ぐ~」
発表者:三浦和之・竹山惣一朗・上田翔太・松井喬祐
「一人一台端末の自主学習への活用
~スケジューリングと個別最適化の学習効果について~」
発表者:栗山真幸・猪村美結・堺あゆみ・森田陽菜実
自らの興味関心にあわせてテーマを設定し、2年生の4月から1年4ヵ月かけて取り組んできた課題研究の集大成です。思うよういかず悩んだ経験や失敗から学んだことも多くあると思います。計画的に研究を進める必要性や時間を有効に活用すること、メンバーとの情報共有や協力体制の構築など、自分たちの反省を1・2年生にアドバイスとして伝えている班もありました。
これから3年生は、論文の作成に取りかかり、課題研究の総仕上げを行います。
SS探究Ⅰ~主体的学習者プログラム~
7月7日(金)、1年生のSS探究Ⅰでは「主体的学習者プログラム(産業能率大学提供)」を行いました。
今回は問題発見編です。
[社会で求められる資質]
①主体性~自ら考え行動することができる
②協働力~仕事におけるコミュニケーション能力に長けている
③やりぬく力~失敗や困難があってもやり遂げようとする意志が強い
の中の①主体性を身に着けるために、家庭の食卓を題材にしたグループワークを行いました。
主体的学習者になるためのは、問題意識をもって世の中の事象を観察することが出発点になります。学生時代に主体的学習を積み重ねることで、社会に出た時に自ら考え行動することができる力が身に付きます。これからSSHでも主体性を養うための活動を行っていきますが、日常生活でも今日学習したことを意識して過ごして欲しいと思います。
SS探究Ⅰ(M‐S講座①)
1年生のSS探究Ⅰでは、6月16日と23日の2週に渡り、
M‐S(Minami STEAM)講座①『探究のプロセスを理解する~自然科学編~』を行いました。
” 物体の落下を考える " をテーマに、
「質量が異なる物体が同じ高さの所から同時に落下したら、地面に到達するタイミングはどうなのか?」
について、グループで仮説を立てて実験計画を立案し、クラスで協議しました。
さらに、代案として提示された実験方法に基づいて実験を行い、得られた実験結果をエクセルで処理し、検証・考察までの一連の探究のプロセスを学びました。最後に、数学と理科の先生から数学的分析法と物理現象の解説を受けて理解を深めました。
今回は、理科(物理)・数学・情報に関する教科横断的な内容に取り組みました。MS講座②ではデータ分析(地歴公民・数学・情報)、MS講座③では自然科学評論系(国語・英語・理科)に関する教科横断型講座を予定しています。
SSHトレーニングⅡ ピア発表会
2年生が現在行っている課題研究について、グループ内での発表会を行いました。
研究テーマに関する仮説をもとに、どのような研究計画・内容で進めていくか、現在までの進捗状況を踏まえて発表をし合いました。質問に答えたり、アドバイスをもらったりすることで、新たな気づきが生まれた班もあったようです。また、発表の仕方や資料の見せ方について指摘を受けた班もありました。研究内容だけではなく、成果を分かりやすく伝える力も必要です。これからの課題研究を通して、様々なスキルを磨いていきます。
SS探究Ⅰ~ガイダンス~
1年生がSSHの活動をスタートしました。
初回の5月12日のSS探究Ⅰの時間は、これから3年間の取組の説明と活動を通してどのような力を養うかのガイダンスを行いました。また、学ぶことの意味を考えるための講座を行いました。
1年生では、それぞれの興味・関心・好奇心を育て、身の回りの課題に気づく「眼」を養うための活動を用意しています。毎回のSS探究に主体的・協働的に取り組むことで、広い視野で物事をとらえ、” 科学的 ”な視点で多角的・総合的に「知る」「気づく」「考える」力を身につけることを目指しています。
2年生で行う課題研究、3年生で行う研究成果のまとめ・発表に向けて、基礎を養う大切な1年です。
SSH課題研究「デジタル教育」班がCIEC春季カンファレンスで奨励賞を受賞しました
3月に行われたCIEC春季カンファレンス(コンピュータ利用教育学会主催)のU18部門で3年生の栗山真幸さん・猪村美結さん・堺あゆみさん・森田陽菜実さんの「デジタル教育」班が奨励賞を受賞しました。
同班は「高校生は1人1台端末を学習にどう活用し、どのような効果を感じているのか」をテーマに、量的・質的の両面から研究を重ねてきました。
班員の猪村さんは「この度はすばらしい賞をいただき、誠にありがとうございます。今回の大会への出場は、私たちにとって大きな成長の機会となりました。今後はいただいたご意見を踏まえ、高校生の学びやすさや学力の向上に繋がる研究をしていきたいと考えています。」というコメントを寄せてくれました。
自分たちの身の回りから課題を発見し、地道に調査を重ねることが研究に繫がると示してくれた4人。下級生の皆さんも自分の気づきを大切に、自身をもって課題探究を進めてほしいと思います。
SSHトレーニングⅡ 課題研究中間発表会
11月15日(火)、2年生全員が取り組んでいる課題研究の中間発表会を行いました。
それぞれの研究テーマに対する仮説とその検証方法、現時点で得られているデータを含む進捗状況などを、審査員と1年生に向けてポスターセッションしました。質疑応答を通してたくさんの気づきを得ることができました。また、審査員の先生方からは新しい視点や専門的なアドバイスをいただくことができました。今回の発表会で得られたことを活かして、これからの研究がさらに充実したものになるように努力していきます。
1年生は、先輩たちの発表を真剣な表情で聞いていました。難しい内容もありましたが、自分たちが2年生で取り組む課題研究に向けて良い刺激になったようです。
未来デザインスクール
10月28日(金)、1・2年生を対象に未来デザインスクールを開催しました。大学や企業の先駆的な研究・取組を講師とのポスターセッションと対話を通して学び、社会への科学の貢献について理解を深めることを目的としています。
今年度は、大学から28ブース・企業から11ブース・官公庁から11ブースを出していただき、合計50個のブースを設けることができました。生徒たちは、それぞれの興味関心のあるブースへ行き、講師の先生の話を聞きました。専門的な内容で難しい部分もありましたが、先生に丁寧に説明していただいたり、質問をしたりして理解を深めました。
各分野の研究や社会問題解決への取組を知ることで、生徒たちの視野が広がったことと思います。また、1年生はこれからの課題研究のテーマ設定に向けて、2年生は現在進めている課題研究について、新たな気づきを得ることができました。
ご参加いただいた講師の先生方、貴重な機会をありがとうございました。
SSHトレーニングⅠ 企業・研究センター訪問研修
10月14日(金)、SSHトレーニングⅠで企業・研究センター訪問を行いました。
1年生は、10か所の企業・研究所から希望の研修先を選んで訪問し、講義や施設見学、実習を受けました。生徒たちはメモを取ったり、タブレットで写真を撮ったりしながら、興味深そうに熱心に研修に参加していました。
[生徒の感想]
◆今回、環境保健センターに行ってみて、研究を成功させるためには、1つ1つの道すじを丁寧に立てて研究を行うことが大切だと思いました。私は、放射線に関する体験をさせていただいた中で、内容が難しかったことろがあっても、進路に関わる内容だったので、意欲的に参加し、学ぶことができました。興味のあるテーマを見つけて、SSHの活動に取り組んでいきたいと思います。(環境保健研究センター:Kさん)
◆現代の農業は私の想像をはるかに超えるハイテクさだった。果物をはさむと大きさや重さが分かる機械や、ドローンを使った農薬の散布など、農家や研究者の方々の工夫や努力の結晶を見ることができた。ただ、継承者不足という大きな壁に立ち向かっていて深刻さを身にしみて感じた。(農林技術開発センター:Hさん)
◆長崎新聞社では、記者60人、総勢約100人の方が働いていました。デジタル部や運動部など13の支局で構成されていて、たくさんの人が自身の特色を活かして一枚の新聞を作り上げていました。現代社会の課題である「若者の新聞離れ」を改善すべくLINEでのアンケートやwebニュースなど様々な場面で工夫されていることを知り、1889年以来、県内シェアNo1の理由に迫ることができました。(長崎新聞社:Dさん)
◆島原の火山を初めて見て、とても大きいと思ったし、自然は怖いなと思いました。地層を見てどの時期に噴火したのか、どの方向から火山灰が降ってきたのかが分かることを知り驚きました。「デイサイト」という石は、他の石と違い、ゴツゴツしていて中にキラキラとしたものがたくさん入っていました。また、砂防ダムの堤防がとも特徴的で、水害を防ぐための技術が素晴らしいなと感じました。(島原半島ジオパーク:Mさん)
[訪問研修先一覧]
・長崎県窯業技術センター
(新材料や廃棄物の再資源化などの研究開発、陶磁器産業支援の基盤技術などを紹介)
・島原半島ジオパーク
(雲仙普賢岳噴火災害の脅威を学ぶとともに、災害から復興を遂げた経験や教訓を学ぶ)
・長崎県工業技術センター
(地域産業の技術開発支援機関として、技術相談や研究・試験等を実施)
・長崎県環境保健研究センター
(研究ゾーンの施設見学に加え、気候変動適応に関する講義やマイクロプラスチックの検査体験等)
・長崎県農林技術開発センター
(果樹栽培におけるスマート農業の取り組みについて紹介・実演・体験)
・長崎市恐竜博物館
(館内を回りながら博物館の学芸員の仕事を紹介)
・扇精光ソリューションズ株式会社
(車両位置情報システムをはじめ、ICTの商品開発を行い、地域経済や防災に寄与)
・長崎ペンギン水族館
(ペンギンや魚類等の生態の研究と公開を行っている。バックヤードでの見学・説明を受ける)
・株式会社ウラノ
(航空機やロケットの部品など金属加工製品の提供をはじめ、食用コオロギへの挑戦を行っている)
・株式会社長崎新聞社
(新聞記事を作成するところから相手に伝わりやすい記事をつくるためにどうするか講演)