2020年12月24日

2学期終業式を、新しい生活様式の校内放送で行いました。校長訓辞を紹介します。

長かった2学期も今日で終わります。今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、いつもとは違う2学期を過ごしたのではないでしょうか。しかし、ひとまず、こうして2学期を無事終えることができることを皆さんと共に喜びたいと思います。2学期を振り返ると、「実りの学期」にふさわしいと評価していい部分と、今後に課題を残す部分が同居していたように感じます。

「評価していい部分」は、9月の体育祭、文化祭です。感染症対策を行った新しい生活様式に沿った形での行事開催でした。体育祭では、3年生がリーダーシップを発揮し、文化祭では、実行委員会を中心とした1・2年生が、限られた中での競技や演技、展示などを披露してくれ、南高60年の歴史に残る行事になりました。これからの「WITHコロナ」の時代に先駆けた素晴らしい行事だったと思います。

部活動においても、県新人大会等で活躍が目立ちました。特に、射撃部女子が、昨年に続き、団体総合優勝を果たし、多くの選手が九州大会へ出場し、全国大会へ進む権利を獲得した選手もいます。陸上競技部女子は、九州新人陸上大会で入賞する選手が出ました。剣道部女子も個人で九州大会に出場します。また、水泳部女子が、冬季選手権大会において、27年ぶりに総合優勝しました。文化部においても、放送部、吹奏楽部、新聞部など県大会で入賞し、九州大会や全国大会の出場権を獲得しました。このように、総じて充実した学期だったと言えます。

今後に課題を残す部分として、「学力」と「欠席の多さ」が上げられます。学年ごとに違いもありますが、全体的に「基礎学力」がきちんと身についていない生徒がいるということです。その原因の一つとして、家庭学習時間が十分に確保できていないということがあります。平日は、最低でも2時間を確保してください。日々の積み重ねが最も大切であり、積み重ねなくして、学力も向上しません。「何故、勉強するのか」という疑問を持つ人が、中にはいると思います。それでは、「勉強しなかったら、どうなるのか」と考えてみてください。「勉強せずして、希望する進路実現は、絶対にあり得ません」が、「勉強して、学力が身につくと、どんな学校も選択できます。」それぞれが、絶対に、希望する大学に合格するという信念を持つことで、しっかりとした目標ができ、そこから目的ある行動=主体的な学習が生まれ、進路実現につながるはずです。このことは、部活動でも同じです。「日本一」をめざす人と「県大会優勝」、「県大会ベスト8」をめざす人では、目標が違う分、行動も違ってきます。どうか、高い目標を持って、「何故、努力するのか」を理解してください。

「欠席の多さ」についてです。南高に赴任して、1、2学期の出席状況を見ていると、全員が揃った日が、一日もありません。誰かが欠席をしています。欠席の理由は様々ありますが、授業に出なくては、学習成果は期待できませんし、学力も向上しません。少々の無理はしてください。今後は、休まずにきちんと授業に出席し、学習に対して自発的に取り組み、学校を休まないことが当たり前だと考えてください。

皆さんに「決断」という言葉を贈ります。決断の「決」は何かを決めることです。つまり、目標を立てることだと考えてみてください。決断の「断」は、何かを断つことです。つまり、今までの習慣をやめたり、捨てたりすることです。

ある大学に合格すると決めたら、テレビは見ないとか、県高総体で優勝すると決めたら、お菓子を食べないとか、それぞれが考えて、決断してください。決断がなければ、いい結果は望めません。

今年も、あと1週間余りで終わり、2021年がスタートします。そこで、1月1日に一人、一人が、何か決断してほしいと思います。自分が「本気で始めること」・「本気でやめること」のメリハリを是非つけてください。生徒諸君及び先生方にとって、来年が「素晴らしい年であること」を祈念しています。