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SSH活動情報

「児童虐待のない未来へ ~南高生へのメッセージ~」と題し、SトレⅢ29班が啓発活動を行いました

 4月15日SトレⅢの時間に29班(田中海舟・川添綾・堀川遥夢・山口竜ノ介・山﨑一輝)が3年生全員を対象に「児童虐待のない未来へ ~南高生へのメッセージ~」と題した啓発活動を行いました。

 同班は「1年間児童虐待問題について研究してきましたが、58回生に協力してもらった『児童虐待に関する意識調査』では、何が虐待行為に当たるのかの認識のずれや子育て相談機関の情報の少なさなどの問題点が浮かび上がりました。その点を解決すべく虐待の定義や具体例、子育て相談機関の種類や連絡先などを伝える啓発リーフレットを作成しました。今回、58回生にリーフレットを配布するとともに全員に対するプレゼンテーションを行う機会をいただき、研究成果を還元することができてとてもうれしいです」とのことでした。

 また、同班によると「啓発活動の事後アンケートでは、前回の意識調査同様、虐待行為とされている11の行為につ いて許されると思うか尋ねたところ、全ての項目で許されないと回答した人の割合が高まるなど、一定の成果が見られた」とのことですが、さらに詳しい分析を行い、7月の校内研究発表では新たな研究成果を伝えたいと意欲を見せていました。今後の研究に期待したいと思います。

 児童虐待啓発リーフレット~南高生へのメッセージ~.pdf

学会論文集に本校SSHの5グループのポスター論文が掲載されました。

 

 『CIEC春季カンファレンス論文集Vol.11』(下写真、CIEC研究委員会編集)に本校のSSH研究の5グループのポスター論文が掲載されました。「CIEC」とは教育と学びにおけるコンピュータおよびネットワークの利用のあり方等を研究し、その成果を普及することを目的とする学会で、日本学術会議の学術研究団体として登録された団体です。

 この度、同会の春季カンファレンスの中に、小中高校生の授業内外で行った探究・調査・プログラム作成など幅広い分野・対象における成果を発表する「ポスター発表」部門が新設され、本校からもたくさんのグループが参加を希望しました。

 応募の結果下記の5グループが採用され、3月21日の東京工業大学でのカンファレンスで発表の予定でした。新型コロナウィルス感染防止のため、残念ながら現地での発表はかないませんでしたが、論文集に発表ポスターとして掲載していただきました。

CIEC春季カンファレンス論文集Vol.11

 掲載された5グループは以下の通りです。(掲載順)

「児童虐待問題を解決するために ー児童相談所へのインタビューと高校生意識調査をもとにー」

  田中海舟・川添綾・堀川遥夢・山口竜ノ介・山﨑一輝

「小さなシジミが世界を救う ーシジミの水質浄化能力についてー」

  小川杏奈・渡邉ひまり・内田有里・河原美桜

「食材摂取による体温変化の研究」

  原田華菜子・市丸優華

「腸内環境再現実験でのキクイモイヌリンによる善玉菌増加の検証」

  小島梨央

「魚肉細胞の培養 ~培養肉で食糧難の解決を目指して~」

  西川周汰・宮上陽向・白水萌・井ノ口翔一・松尾侑紗

SDGs探究アワード2019 八幡紗矢さん簡易組織培養の研究 全国2位になりました!!

 八幡紗矢さんが3月14日に「SDGs探求アワード2019」の中高生部門で全国2位となる優秀賞を受賞しました。「SDGs探求アワード」とは、未来を担う若者にSDGs(持続可能な開発目標)を通して、世界の問題を自分のこととして考え行動してもらうという目的で設立されました。八幡さんの研究内容は「簡易組織培養による絶滅危惧種の救出活動」です。未来を担う若者として、これからの研究の成果と世界の問題の探求・解決が期待されての受賞です。

 八幡さんはこの研究に関連して、4月13日(月)16:30~ FM長崎の夕方の番組「colors」に出演しました。そこでは、SDGs探究アワード2019 の入賞についての感想や研究内容について話してくれました。

SSH海外研修

今年度の長崎南高校SSH海外研修では、1・2年生の計4名がタイへ訪問しました。中心となった活動は、タイ王国から招待を受けて参加した「タイ・日本学生ICTフェア(TJSIF)」です。12月20日(金)~22日(日)の3日間開催され、日本からは15の高校と11の高専が参加し、多くのタイの高校生と交流しました。会場はタイ東北部(イサーン地方)のムクダハンというラオスとの国境を分けるメコン川沿いの都市で、タイのSSHである「プリンセスチュラポーン科学高校(PCSHS)」のムクダハン校です。

[12月17日(火)]
7:00の高速バスで長崎駅前を出発、9:25に福岡空港に到着し、搭乗手続、保安検査、出国審査を経て、11:40発のタイ国際航空での約5時間半の空旅の後、現地時刻(日本からー2時間)15:30にバンコクのスワンナプーム空港に到着しました。入国後、現地添乗員の案内でホテルに向かう途中に、体長1mを超えるミズオオトカゲが生息している「ルンピニ公園」に立ち寄りました。バンコク都心の渋滞にはまり、入園が日没後であったため、1匹しか見つけることができませんでしたが、翌日以降の「熱帯」について学ぶ研修に向けて期待が高まる体験となりました。

[12月18日(水)]
本日のテーマは、タイの植物について学ぶことです。ホテルを6:50に出発し、「バーマインチャレーン」に向かいました。このバンコク近郊の海岸沿いにはマングローブが生い茂り、カニクイザルも潜んでいます。エンジンボートに乗ってマングローブを目の前で観察しながら、その生態や重要性、伐採による環境破壊などについて学び、最後にマングローブ林の再生・保安のために、4名全員で1本ずつ植樹をしました。午後はバンコク都心の「ワットポースクール」でハーバルボール実習です。ハーバルボールとは、タイの伝統的自然療法で使われるもので、レモングラスなど数種類のハーブを刻んだり、潰したりしたものを、布でくるみ、使うときには温めて、肌に押し当てます。講師からそれぞれのハーブの効能について具体的に教わりながら作る体験ができました。植物の持つ力について多くを発見した1日でした。

[12月19日(木)]
6:00にホテルを出発し、ドンムアン空港へ向かいました。そこで本校の今回のパートナー校であるPCSHSチャンライ校の2名の先生と交流し、同じ8:30発の便に乗りました。9:50にナコンパノム空港へ到着し、まずは地元の「ワットプラタートパノム」という寺院を見学しました。中央に高さ52mのラオス様式の美しい仏塔がそびえ立ち、荘厳な雰囲気でした。次に、近くのベトナム料理レストランで昼食をとり、その後、ムクダハンへ向かいました。途中に「ケーンカバオ」で休憩しましたが、ここはメコン川沿いの公園で、対岸はラオスです。国境が目の前にあり、間近に別の国が見え、不思議な感覚にとらわれました。また、川を見守る蛇神ナーガの巨大な像も印象的でした。15:20にはTJSIFの会場であるPCSHSムクダハン校に到着し、同校の生徒達の大歓迎を受けました。この日からの4泊は、この学校の学生寮での宿泊となります。まずは、発表へ向けての準備をし、その後、早速、交流を深めました。

[12月20日(金)]
TJSIFは本日から3日間の開催です。初日は10:00から開会式、11:00から佐世保高専の入江准教授(電子制御工学)による基調講演と続き、13:00からは、全参加生徒が体育館に集まり、ICTに関わるサイエンスプロジェクトのポスタープレゼンテーションが実施されました。本校からは“Developing a Simple vegetable factory” と “Developing an Instrument for Observing Veins Using Near-Infrared Light” の2つを英語で発表しました。2名ずつに分かれ、聞きに来た多くのタイ人高校生に向けて、一生懸命説明し、うまく通じたり、興味を示してくれたりしたときには嬉しそうにしていました。18:30からの歓迎会では、タイの音楽や舞踊などの伝統文化を満喫しました。

[12月21日(土)]
TJSIF2日目は、タイ人准教授(コンピュータ工学)による基調講演から始まりました。9:30からはパワーポイントを使ってのサイエンスプロジェクトの発表です。本校生徒の出番は午後の後半になっていたので、それまでは他の発表を視聴しました。15:40からいよいよ本校生徒の登場です。今回の海外研修でのメインイベントかつハイライトとして、約30名を前に緊張と不安が入り混じる中で、自分達がこれまで取り組んできた課題研究について英語で堂々と発表しました。事前の準備や練習の成果をしっかりと発揮することができましたが、最前列の大学の先生方との質疑応答には悪戦苦闘していました。

〔12月23日(日)〕
TJSIF最終日は、フィールドトリップ5コースが設定され、本校4名は「王立養蚕研究所」を訪問しました。タイの伝統である絹織物産業(タイシルク)を支える施設で、カイコの飼育を見学したり、製糸工程を体験したりしました。午後にはPCSHSMに戻り、6班に分かれ、フィールドトリップで学んだことをもとに、ICT活用について発表するための準備に英語で意見交換をしながら取り組みました。和装をまとって参加した送別会では、タイの高校生による伝統舞踊などが次々と披露され、初日の歓迎会以上の盛り上がりを見せました。この4日間の滞在を通して、タイ人高校生と交流しながら、科学英語を海外で発信するという貴重な体験をすることができました。

 

〔12月24日(月)〕
いよいよタイでの最後の1日です。6:30という朝早い出発にもかかわらず、4日間を一緒に過ごしたタイ人高校生達から見送りを受け、名残惜しい気持ちで空港に向かいました。11:30にはドンムアン空港に到着し、昼食後、バンコク近郊の「シラチャタイガーズー」を訪れました。ここでは、トラ、ゾウ、ワニなどの熱帯動物に直接触れたりしながら、その生態や行動を観察し、学ぶことができました。夜にはスワンナプーム空港へ向かい、多くの研修成果と思い出を胸に、深夜便でバンコクを飛び立ちました。