2026年1月の記事一覧
SSH海外研修(タイ) 参加者の感想
12月16日(火)~24日(水)のSSH海外研修(タイ)の参加者による感想を以下に掲載したいと思います。
・私達はプリンセスチュラポーン科学高校パトムタニ校を会場に開催された「タイ・日本学生科学フェア2025」に参加しました。12月17日(初日)のポスタープレゼン(英語)では、自分の課題研究である「竹魚礁の開発」について、聞きに来てくれた一人一人と近い距離で対話ができました。研究内容を相手の理解度に合わせて説明する大切さを学び、また、質問を受けることで、想定していなかった視点に気づき、研究の改善点も見えてきました。18日(2日目)のスライドプレゼン(英語)では、時間が限られ、その中で要点を整理し、聞き手全体にわかりやすく伝える工夫が求められました。緊張しましたが、スライド構成や話す順序について練り上げることで、内容をうまく伝えられました。両方を経験することで、発表によって伝え方を変える重要性を実感し、英語による発信力を伸ばしたいという気持ちが高まりました。
・12月20日に空路で北部タイのチェンマイに移動し、2日間で「サイアム昆虫園」と「シリキット王妃植物園」を訪れました。昆虫園では、日本では目にする機会が少ない小動物を間近で観察しました。有毒のサソリやタランチュラ、翅のないオオゴキブリ、独特な形態のナナフシ、チョウの幼虫、さらには爬虫類のカメやトカゲとも直接触れ合うことができました。これらの体験を通じ、熱帯種の生態や温帯である日本との環境の違いによる生態系の多様性を体感することができました。続いて訪れた植物園では、タイ特有の熱帯植物が数多く展示されていました。広大な敷地の中で、日本では見ることのできない巨大な植物や色彩鮮やかな植生を詳しく観察し、気候条件が植物の進化に与える影響について理解を深めました。今回の研修施設での活動は、教科書だけでは学べない生命の力強さを実感するすばらしい機会となりました。小動物と植物、それぞれの視点からタイの自然環境に触れたことは、自身の科学的な視野を広げる貴重な財産になっています。
・12月21日の午後にチェンマイからチェンライに移動し、2日間で「淡水養殖研究所」「ドイトン村コーヒー農園」「メコン川観測所」「アヘン博物館」を訪問しました。どの施設でも、日本だけでは知ることのできない多くのことを学ぶことができ、とても貴重な経験になりました。養殖研究所では、自然の中から選ばれた丈夫な魚を、化学飼料を使わずに安全に育てる工夫がされていることを知りました。特に印象に残ったのはティラピアです。ティラピアはかつて日本からタイに紹介された魚で、餌にホルモンを混ぜて性別を調整し、21日間決められた回数で計画的に餌を与えて育てられていました。養殖はただ単純に魚を育てるだけでなく、細かく管理された仕事だということがわかりました。また、淡水サメや世界最大級のプラブックなど、様々な魚が養殖されている点にも驚きました。コーヒー農園では、コーヒーは強い日光を必要とせず、マカダミアナッツの樹林の下のような日陰でも育つことを学びました。さらに、鳥やリスがコーヒーの実を食べて排泄することで森の土壌を肥やすという話を聞き、自然の中で命が循環していることを実感しました。観測所では、メコン川水系の水量や水質、魚や周辺環境の調査を行い、洪水や干ばつを予測して被害を減らす取り組みがなされていることを知りました。また、メコン川は一つの国だけで管理されているのではなく、数か国が協力して管理している国際河川であることを学び、人々の暮らしと自然が国境を越えて深くつながっていると感じました。アヘン博物館では、アヘンがかつては薬として使われていた一方で、依存を生み、戦争をも引き起こしてきた歴史を学びました。展示を通して、麻薬が人生や社会を壊してしまう恐ろしさを強く感じました。今回の研修を通して、自然との関わり方や科学が環境や社会に大きな影響を与えることを学びました。この経験をこれからの課題研究や探究活動に生かしていきたいと思います。