SSH活動情報
SSH海外研修(タイ)
4年ぶりに海外研修を再開し、科学部4名がタイを訪問しました。
今回のメインの活動は、タイ・日本学生サイエンスフェア(TJFS)への参加です。英語で研究発表をしたり、現地の高校生との交流やフィールドワークを通して、科学英語を海外で発信するという貴重な体験ができました。
また、市場や果樹園、ゾウの飼育保護施設、養蜂園などを訪問し、現地の自然や文化に触れることで、タイ独自の伝統文化や熱帯の植生などたくさんの研修成果を得ることができました。
研修の詳細や活動中の様子はこちらをご覧ください。
〔SSH〕キャリア・サイエンス講座Ⅱ(キャリア特進コース)
11月16日(木)、2年生のキャリア特進クラスを対象にキャリア・サイエンス講座の2回目を実施しました。
『自分の進路先の学びを体験する』ために、看護・スポーツ・芸術の3コースに分かれて専門分野の先生から講義を受けました。次回は1月に『実社会でのものの見方や考え方を体験する』ための講演を予定しています。
【看護コース】
「人生の最終段階を自分らしく過ごすために~人生会議の模擬体験~」
長崎県立大学看護栄養学部看護学科 馬場保子先生
*生徒の感想*
〇今まで自分事として死というものを考えたことがなかったのですが、今回の講座を受けて誰でもいつでもいつその死が来るかはわからないし、いつもの当たり前が当たり前でなくなることがとても怖いなと思いました。また、日頃から小さなことにも感謝することが大切だなと思いました。
〇看護は分野で分けるとたくさんの種類がありますが、「終末期ケア」は今まで視野に入れたことがない分野だったので、いい経験になりました。カードゲームをして実際にいろんな人のいろんな価値観があることを改めて感じました。
〇今回の講座を受けて、人生の最期のことについて考えたことは今まであまりなかったからいい機会だったと思いました。普段あまり考えないことだったから面白かったです。人によって価値観が全然違うと感じました。
【スポーツコース】
「競技動作の科学的分析の活用と強固な組織(チーム)創りの考え方」
長崎県スポーツ協会 小柳勝彦先生
*生徒の感想*
〇目指している職業はまだ決まってませんが理学療法士に興味があり今回の講座を選択しました。スポーツ科学についてのお話を聞いて、そもそも理学療法士を目指して自分がどうなりたいかと考えた時に、すぐに答えが出てきませんでした。誰でも何かの素質を持っていることを聞き、それが自分は何なのか未だに分かっておらず、見つけるには自分探しが大切だということを学んだので、自分探しをしていく中で本当になりたい自分を見つけて行けたらいいなと思いました。
〇スポーツに関する仕事は、幅が広いことがわかりました。島にスポーツを広める仕事があることを知り、スポーツをやる側だけでなく、応援するなどをすることでスポーツに関われるので、いろいろな方法があると思いました。
〇講座を受けて自分の考えに間違えている部分、合っている部分が明白になり改善すべき点が何個もあったのでその課題を1つずつ改善していって春にはそのすべてをクリアしたいと思います。
【芸術コース】
「アート思考で既成概念を乗り越える Vol.2 ~アートが科学に示唆する思考法~」
長崎大学教育学部 西田治先生
*生徒の感想*
〇音楽系の進学希望でも、それ以外でも、共通して言えることを学ぶことが出来ました。自由は子供の時ならではのものだと思っていたが、大人は自由のみを与えられることを難しく感じる(実際に私も思う)ので、枠を決めて自由にすることが必要な事なんだと気付かされました。
SSHトレーニングⅡ課題研究中間発表会(2年生)
11月14日(火)、2年生が4月から取り組んでいる課題研究の中間発表を行いました。
ポスターセッション形式で、仮説とその検証方法、およびこれまで得られたデータなどを含む進捗状況を発表し、質問に答えました。参観者は1年生全員と2年生(2年生は半分に分かれて相互で参観しあいました)、審査員は長崎大学の先生と学生、本校教員です。質問に答えることで理解が深まったり、説明の方法についての改善点が見つかったりと多くの気づきがありました。また、審査員の先生方からたくさんの助言をいただくことができました。
今回の発表で得られた気づきやアドバイスを今後の研究活動に生かしていきます。最終発表まであと8か月。試行錯誤しながら班員で協力して頑張ります。
未来デザインスクール
10月27日(金)、1・2年生を対象に未来デザインスクールを開催しました。大学や企業、官公庁から41名の方にご参加いただき、生徒に向けてポスターセッションやプレゼンテーションをしていただきました。
生徒たちはそれぞれの興味関心や進路希望に合わせて各ブースを回り、大学の研究内容や企業の取組について詳しく話を聞きました。1年生は2時間、2年生は1時間と限られた時間でしたが、積極的に質問をして講師とやり取りすることができ、とても実りの多い時間になりました。
今回学んだことを踏まえて、これから1年生は来年度取り組む課題研究のテーマ決めを行います。2年生は現在進めている課題研究に軌道修正を加えながら、よりよい研究になるように努力していきます。
ご参加いただいた講師の先生方、本当にありがとうございました。
≪生徒の感想≫
〇課題研究で何を研究しようかなと漠然としていたけど、未来デザインスクールを受けて、自分のやってみたいことがある程度固まりました。
〇私は未来デザインスクールを受けて自分のなりたい職業が明確になりました。今回勇気を出して悩んでいることを伝えてみると、自分の心にとても刺さることを教えてもらい、本当にやりたいことを見つけることができました。これからはその夢に向かって一生懸命頑張っていきたいです。
〇今回未来デザインスクールを受けて将来についてもっと具体的に考えないといけないという危機感と将来が楽しみといったワクワクがあり、もっと多くのことに目を向けるべきだなと思いました。
〇実験をする際は、結果を見るだけでなく、なぜ失敗したのかの原因を探り、逆に何ができるかを考えることが大切だと学びました。課題研究について前向きな気持ちになりました。
〇専門的なことだけではなく、人生の生き方や考え方など色々なことを教えて頂きとてもいい時間になりました。この時間のおかげでこれからの未来の視野を広げることができました。
〇大学の先生たちは僕たち高校生とは違う広い視野で物事を見ていて、話を聞いていてとても興味がわきました。物事を見る視点を変えることで今まで発見できなかったことや新しいアイデアなどが生まれるのだと思いました。
〇たくさんの分野の講座を聞いて、いろいろな見方で物事を考えることができて2時間がとても短く感じられました。一見全く違う分野でも話を聞いていくうちに共通するところが出てきたり、興味を持てるところがたくさんあって面白かったです。
〇もともと工学系の事にしか興味や関心がなかった。しかし、未来デザインスクールを受けて、工学でも建築や農業など様々な所に応用できることを知った。今までは理系を選ぶと将来の選択肢が少なくなると思っていたものが、逆に広くなったように感じている。工学の可能性は無限大なのだということを改めて実感することができた。
〔SSH〕キャリア・サイエンス講座(キャリア特進コース)
2年生のキャリア特進クラスを対象に、キャリア・サイエンス講座を実施しました。
看護・スポーツ・芸術の3コースに分かれ、地元長崎で専門性の高い現場で活躍されている先生方に講義をしていただきました。
【看護コース】
「看護技術初学者におけるベッドメーキング技術の段階的教育の実際」
長崎県立大学看護栄養学部看護学科 三重野愛子先生
⇒大学を訪問し、看護学の基礎とベッドメーキングについての講義を受けました。看護技術を習得するまでの段階的な教育スケジュールを学び、実際に技術演習を見学・体験しました。
*生徒の感想*
〇看護師さんは技術と技能どちらも大切ということを初めて知りました。習ったことがすべての患者さんに同じように通用するわけではなく、その時その時で自分自身で考えなければいけないなと思いました。また、大学の授業は進むスピードが速かったので、すぐに理解する能力も必須だなと思いました。
〇夏休みに県立大学のオープンキャンパスに行って色々な話を聞いたけど、今回は実際の授業風景などを体験出来て良かった。大学は高校と違ってどんどん授業も進んでいくので、重要だと思ったことはメモを取ったり自主的に取り組むことが大切だと感じた。
〇オープンキャンパスなど行ったことがなくて県立大学がどんなところかわからなかったけど、行ってみて、看護師の資格を取りたいという気持ちがもっと強くなって、今自分たちが県立大学に受かるためにできることは何か考えて実行していきたいなと思った。
【スポーツコース】
「動作分析からみるスポーツ障害の予防とパフォーマンス向上~東京オリンピックの現場から~」
こころ医療福祉専門学校 大石勝規先生
⇒ケガといっても人それぞれの要因があり、実際に痛めている所とは別の部位に原因があるなど、動作の分析を通して学びました。
*生徒の感想*
〇自分は将来スポーツにかかわる仕事に就きたいと思っているので、今日の講座はすごくためになりました。しっかり考えて動くことと原因を見つけるだけじゃなくて、しっかり分析をして自分自身も最高のパフォーマンスができるようにしたい。
〇動作と分析、原因と要因、その動作によって起こりうること、それが起こってしまう前の対策など、今私たちが運動している中での体の使い方やケアの仕方までわかりやすく講義してくださって、話を聞いていて興味深いことが多く、2時間とてもいい時間を過ごすことができました。
〇講座を受けて一番印象的なのは自分たちが考えていることの中には分析をしていることが多くあるということです。決してAIなどだけが分析をするということではないことを考えさせられました。そして今後は、けがなどをしたときに「なぜけがをしたのか?負傷部分にどのようなストレスがかかっていたのか?」など人の構造やけがの原因などを詳しく調べていくことが課題だと思います。
【芸術コース】
「アート思考で既成概念を乗り越える~アートが科学に示唆する思考法~」
長崎大学教育学部 西田治先生
⇒サウンドスケープやサウンドデザインによって「音楽」を捉えなおす体感をし、アート思考にふれることで芸術の概念について考える機会となりました。しなやかな思考から新しい芸術が生まれてきており、これは科学技術の発展においても必要な視点であることを学びました。
*生徒の感想*
〇鑑賞をするというのは昔から苦手だったので、今回の講座を受けるにあたって少し不安を感じていたが、実際サウンドスケープ、リスニングウォーク、サウンドデザインを体験してみると、今までの自分では感じることがなかったであろう気づきがたくさんあって、不思議な感覚になりました。また、ほかの人の意見を聞いてると、自分には感じ取れなかったことにも気づくことができて、面白いと感じました。これからは、日常での気づきを大切にして、自分なりの最適解を見出せるようになりたいと思いました。
〇今日の講座の中で"音楽とは何か"など様々な議題について考えるときに、既成概念にとらわれずに考えてみることが大切だと学びました。また、実際に外に出たりしてサウンドスケープをやってみて、とても心が落ち着きました。普段あんなに日常の音や自然の音に耳を傾けることがないので、音楽作品を聴くだけでなく、そういう音を聴く時間を作ることも大切だなと思いました。
〇私は吹奏楽部に所属していて普段から楽器に関わっているので、自分が吹く音と自然の音が融合したときどんな情景が思い浮かぶのかとか、音楽を色んな視点で聞くということを意識的にやっていきながら、それを普段の学校生活から色んな視点で物事をみるということに繋げていきたいと思います。
SS探究Ⅰ(MS講座②)
1年生のSS探究Ⅰでは、10月6日と13日の2週に渡り、M‐S(Minami STEAM)講座②『探究のプロセスを理解する~データ分析編~』を行いました。
経済産業省と内閣官房から提供されているRESAS(地域経済分析システム)を使って、地域の人の動きに注目したグループワークを行いました。
①データを活用して分析する
②課題を発見する
③データを根拠に論理的に思考する
④結論を導くために客観的に判断する
探究活動を進めていく上で必要になる上記のプロセスを踏まえ、気づきや意見を出し合いました。最後に数学と地歴公民の先生からの解説を受け、理解を深めるとともにテーマと教科とのつながりを確認しました。
今回は、地域の課題発見とデータ分析をテーマに地歴公民・数学・情報に関する教科横断的な内容に取り組みました。次回、MS講座③では自然科学評論系(国語・英語・理科)に関する教科横断型講座を予定しています。
多彩な講師を迎え、令和5年度未来デザインスクールを10月27日(金)開催!
SSH事業の一環として「令和5年度未来デザインスクール」を10月27日(金)13:05より本校体育館にて開催します。「新たな出会いをきっかけに、あなたの未来のデザインが始まる」をテーマに、41名(39ブース)の産学官の講師をお招きしてポスターセッション形式で交流を行います。課題研究に取り組む2年生には研究方法などのアドバイスを、1年生にはこれから取り組む課題研究のテーマ設定のヒントをそれぞれつかんでほしいと願っています。
※詳しくは下に掲載しているPDFをご覧ください。↓
サイエンス講座(SS探究Ⅰ)
9月15日(金)、1年生を対象にサイエンス講座を実施しました。2・3年生で行う課題研究における課題対応力(自然や社会の課題に気づく力、研究テーマを自ら設定・計画する力)の向上を図ることを目的としています。
8つの企業や研究機関の専門講師から、講義やワークショップを通して、先進的な科学技術や科学と生活の関わりを学びました。
【講座と講師】
1 「感染症とたたかう~最高レベルの感染症実験施設とともに~」
長崎大学高度感染症研究センター 好井健太朗
2 「情報:考える仕組みを考える学問」
長崎大学情報データ科学部 酒井智弥
3 「インタビューやアンケートをもとにした質的データ分析の在り方、医療と研究活動」
活水女子大学看護学部 井口悦子
4 「大学生で起業。地方創生という仕事」
株式会社PAL FLAGs 富永雄伍
5 「長崎県の人口の統計分析」
県統計課利活用支援班 山口雄介
6 「デジタル社会のゲームチェンジ~”デジタル時代の長崎のこれから”につなげて~」
株式会社CAC Holdings 島田俊夫、齊藤学
7 「スポーツビジネスにおける"集客”を知る」
株式会社長崎ヴェルカ 田河毅宜
8 「蚊の生態・飼育と誘引実験」
アース製薬株式会社 山本美由紀、加藤伝、(オンライン)有吉立、浅井一秀
SSH生徒研究発表会、神戸サイエンス研修
神戸市でSSH生徒研究発表会が開催され、3年生の課題研究班4名が参加しました。またその機会を利用して、科学部1・2年生4名も同行し同市内でサイエンス研修を実施しました。
8月7日(月) 神戸大学大学院理学研究科で研究室訪問を行いました。生物学の研究室で、ミツバチの行動と神経生理学の先端研究を教えていただきました。ミツバチのコミュニケーションである8の字ダンスとそれに伴う神経生理研究の紹介を受け、科学部生徒が取り組んでいるミツバチの採餌行動についても質疑応答を行いました。その他にも植物の形態形成、動物の神経行動の各研究室も案内していただき、最新の研究設備やそれぞれの専門の研究について学びと驚きの連続でした。
【生徒の感想より】 どの研究も難しく、理解することがとても困難でしたが研究の意図がわかると面白く、自分の知識が深くなっていくのを感じました。特に面白いと感じたのはミツバチの生態や学習行動についてです。1つの疑問点に焦点を当てて研究することは、わかっていくことが1つずつ増えていくようで面白く、困難であると感じました。
8月8日(火) 理研BDR(理化学研究所生命機能科学研究センター)を訪問し、ライフサイエンスの先端研究の説明を受けました。iPS細胞が、立体的な組織への分化を目標に、先端ロボットを用いて次の段階に研究が進んでいること、またGFP(緑色蛍光タンパク質)を用いた遺伝子操作や、臓器の透明化技術など、「見る」ための実験手法はとても興味深い話でした。
【生徒の感想より】 ヒトの一生についての研究を、細胞やDNAレベルの細部、ほかの生物の生態や遺伝子のヒトとの共通点などの多角的な視点から調べていて、多くの知識が得られました。また、自分たちの研究は進まなくなってしまっているので、もっと多くの視点からアプローチする必要があると思いました。
8月9日(水)、10日(木) SSH生徒研究発表会に参加しました。230のSSH指定校がそれぞれ1つずつ研究作品を持ち寄り、ポスター形式で互いに研究を紹介しました。3年生のアカダイコン組織培養班は、様々な指摘や助言、質疑応答を重ねることで、研究の改善点や不備に多く気づくことができました。レベルの高い研究がとても多く、研究の手法や、着眼点など参考になることがとても多くありました。
【生徒の感想より】第一に思ったことは自分の考えを相手に伝えることの難しさです。正しく伝えるためには、それだけの話す工夫や準備が必要だということがわかりました。そしてもう一つは科学の面白さです。科学という言葉で一括りにはできないほどの分野、考え方、未解明な点があり、その1つ1つについて同じ高校生と議論をすることは改めて素晴らしいと感じました。
SSHトレーニングⅢ 課題研究成果発表会
7月12日(水)、3年生が課題研究成果発表会を行いました。第1部では以下の4班がステージ発表を行い、第2部では全班がポスターセッションを行いました。
【口頭発表】
「快適な住まいと窓の関係~光の入り方と室内温度の変化~」
発表者:榎屋結・早田彩恋
「高校生は読書から得る力をどのように捉えているか
~インタビューとアンケート調査にみる高校生の読書観~」
発表者:小野咲良・松下笑子・角井寧々
「組織培養によるアカダイコン胚を用いたカルス形成
~組織培養で伝統野菜の絶滅を防ぐ~」
発表者:三浦和之・竹山惣一朗・上田翔太・松井喬祐
「一人一台端末の自主学習への活用
~スケジューリングと個別最適化の学習効果について~」
発表者:栗山真幸・猪村美結・堺あゆみ・森田陽菜実
自らの興味関心にあわせてテーマを設定し、2年生の4月から1年4ヵ月かけて取り組んできた課題研究の集大成です。思うよういかず悩んだ経験や失敗から学んだことも多くあると思います。計画的に研究を進める必要性や時間を有効に活用すること、メンバーとの情報共有や協力体制の構築など、自分たちの反省を1・2年生にアドバイスとして伝えている班もありました。
これから3年生は、論文の作成に取りかかり、課題研究の総仕上げを行います。